過食嘔吐をやめたいあなたへ – 私が過食嘔吐をしなくなった経緯

Cover photo by Anthony Tran on Unsplash

インスタのストーリーでたまにメンタルヘルスやボディーイメージについて投稿していたのですが、私は近年、過食嘔吐で苦しんでいました。最近ようやく過食嘔吐の負のループから脱却しましたので、似たような状況にある方に向けて経験談をシェアしようと思います。もし、少しでも役に立ったら嬉しいです。

過食嘔吐のみならず、ボディーイメージや自己肯定感、メンタルヘルスについても一緒に考えてみます。私は専門家ではないですが、個人の経験を書いていきます。長くなりますがお付き合いください。


過食嘔吐のきっかけ

私が過食嘔吐を始めたのは2019年の秋ぐらいでした。
その頃、ダイエットに必要な知識・理論をガッツリまとめたブログを発見し、ずっと痩せ型じゃない自分の体にコンプレックスを持っていたため、私もこの人の言う通りにやってみようと一念発起しました。
プロテインやアミノ酸を購入し、低糖質低タンパクメニューの食事を徹底し、ジムに通って1ヶ月で3キロほど痩せたし体脂肪率も減ったので、効果を実感しました。

2ヶ月目も当然同じような効果を期待しました。ところが2ヶ月目の減量が1ヶ月目のようにうまくいかない。焦りとストレスで、ずっと我慢していたお菓子をつまみました。一口で済ますつもりだったのが、手が止まらない。生理前だったのか覚えていませんが、仕事がうまく行っていなかったストレスも相まって、暴食してしまったのです。
もちろん、後悔の念は尋常ではありませんでした。夜遅かったので運動しに外へいくこともできないし、なんとかこの暴食を無かったことにしたいと思い、「吐くしかない」と咄嗟に思いました。スマホで「吐く方法」を調べて初めて吐きました。ここで「好きなものを好きなだけ食べても、無かったことにできる」ということを知ってしまいました。


習慣化

「好きなものを好きなだけ食べても、無かったことにできる」味を占めた私は、一回きりにすると決めていた過食嘔吐を習慣化してしまいました。仕事の同僚や友人と飲みに行ったらたらふく食べて吐く。仕事でストレスが溜まったらコンビニでお菓子やジャンクフードを大量に購入して気持ち悪くなるほど食べて吐く。週1回の時もあればほぼ毎日やったこともありました。

実際、体重をキープはできましたが痩せはしませんでした。おそらく、胃に入れたものを全て完全に吐き出すことができなかったのでしょう。それでも「これだけ食べても太らない」のは夢のような話に思えて仕方ありませんでした。


健康・精神への悪影響が出始めた

過食嘔吐による身体への負担は、段々見過ごせないものになってきました。まず気づいたのが、顔の下膨れ。唾液腺が腫れがるらしく、見るからに顔の下半分がたるみました。その次に、一番深刻だったのが喉の痛みでした。胃酸で喉がやられるので、喉が咽頭炎のように赤く腫れているのが当たり前になりました。声も低くなったような気がします。そして胃が痛い。一気に食べ物を詰め込んで胃が拡張し、吐いていきなり中身が減るので胃を酷使していました。

精神的な負担が一番きつかったです。過食嘔吐はやはりしてはいけないことだという意識がいつも頭の中にあったので、過食嘔吐をする度に「なんてだめな人間なんだ」と自分を責めました。「今週こそは過食嘔吐をしないぞ」を息巻いても、結局誘惑に負けてしまうので自分は弱い人間だし、自分で自分を軽蔑していました。


心療カウンセリングでボディーイメージと食べ物との関係性を整理してみた

このままじゃいけないと言う気持ちは強くあったので、インターネットで似たような経験のある方のブログやインスタを読みあさりました。それでもやっぱりやめられなかったのと、職場が変わったストレスが限界に達しており、仕事中のイライラも酷くなってきていたので、会社の福利厚生を使って「心療カウンセリング」に通うことにしました。最初の数回は無料で、その後は全額自費で通いました。

いつも悩み相談は家族や友人にしていましたが、今回プロの方と話してとても有意義でした。私の心療カウンセラーの方は、自分の今までの人生でボディーイメージがどのように作られてきたのかと、食べ物との関係性をどのように築いてきたのかを紐解くように質問をして、私の話を聞いてくれました。

私の場合、ボディーイメージは幼稚園の頃からかなりネガティブなものになっていたことがわかりました。幼稚園で男の子に「デブ」と言われ(今になって昔の写真を見返すと、至って普通体型に見えるんですけどね…)、バレエを習っていたのですが、小学校低学年の頃に発表会の衣装の話をしている時に同じ教室の子のお母さんから「Makapiちゃんは特大サイズだもんね〜〜」とみんなの前で面と向かって言われたり(大人になった今考えると、小学生にこんなこと言う大人って神経疑いますわ〜〜〜)したんですね。バレエは踊ることと発表会でのメイクが大好きでやっていたし、プロを目指すような子がいる教室でもなかったので楽しくやれればよかったと思うんですけど、当時まだ子供ですし大人にそう言われると「私は太っているのでバレエやってちゃいけないんだ…」と常に感じていました。幼少の頃から体型のことで他人から指摘されてきたことが大人になった今でも自分のボディーイメージにかなり影響を与えていたのでした。BMIが普通でも、世間で言われている「美容体重」には程遠い体重だし、自分は太っているのだと思い込んでいました。なので絶対に痩せないといけない、万年ダイエッターマインドセットが出来上がったのでした。

思春期〜大人になる間にも、母には常に「痩せなさい」と言われ続けてきましたし、大学卒業する頃に友人のお母さんに「今が一番いい時なんだから少しは我慢しないとだめ。うちなんて肉の脂とか全部とって料理してるのよ」と言われたのが今でも鮮明に記憶に残っています。なぜなら、私の母も肉の余分な脂は当たり前のように取り除いて料理してくれましたし、家族の健康には人一倍気を遣っていてくれたからです。もちろん、友人のお母さんとしてはそのつもりはないのはわかっているのですが、私の中では、私が痩せていないせいで私の家族まで健康管理ができていないようなレッテルが貼られてしまったような気がして本当に悲しかったのです。


こういった出来事を思い出した上で、次に行ったのは食べ物との関係性を整理です。わかったことは、体型について指摘と痩せなさいと言われ続けたことで「食べる=太る=悪いこと」と言う意識が頭の中で出来上がってしまっていると言うことでした。家族や友人と楽しい食事をしても「楽しかった・美味しかった」という感想ではなく「食べ過ぎてしまった…炭水化物をたくさん食べてしまった…」と思っていました。ダメと思っても美味しい物は好き。そして2019年に本格的なダイエットを始めた際に美味しいものを厳しく禁じ、味気ないパサパサ鶏胸肉とかブロッコリーばかり食べていたら、自分の中で何かが爆発し「好きなもの好きなだけ食べてやるよコラァ!吐けば全部チャラなんだよ!!」という発想に到達してしまったのでした。

ちなみに、心療カウンセリングでは結論は教えてくれません。結論に至るまでの経緯を整理するために必要な情報を引き出すため、多方面からのアプローチをしてくれました。


トラウマから脱却 – 考え方や見方を変えてみた

以上のように紐解くと、ボディーイメージは「周囲の人からの評価」から作り上げられてきたこと、そして食べ物との関係性が「不健全」であるのではないかと自分なりに分析しました。

まず、子供相手に心ないことを言う人たちが私に向けた発言はいわゆる一種のトラウマなのですが、それを引きずり続けて、私の今の生活が荒むのは勿体ないと思うようになりました。過去の人たちが何と言おうと、もう私の人生は関係のない人たちだし、その人たちに付けられた心の傷をいつまでも負い続けて今の生活に悪影響を与えているなんて悔しいですし、今自分の周囲にいる大切な人たち、夫をはじめとする家族や友人が自分をそのまま受け入れてくれていることに感謝をする方にエネルギーを使いたいなと思っています。
母は友人のお母さんについては、その世代特有の(?)価値観があるのだろうと思うようになりました。それを良かれと思って言ったのであって、私を傷つける目的で言ったのではないのだということを理解するよう努めています。

食べ物との関係性は、食べる=太ると言う極端な考え方をやめました。食べる=栄養摂取、食べる=怖くない、楽しいというポジティブな認識を持つようにしています。甘いものやジャンクフードは一切禁止!とすると短期間は良くてもそのうち反動で暴食が起きてしまうので、行き過ぎのルールは自分に課さないです。また、ルールを一つでも破ってしまったら全てが台無しと勘違いして自暴自棄になり暴食してしまうことがしょっちゅうあったので、完璧主義をやめ、少し思い通りの行動が取れなくても大目にみるくらいの心構えを持つようにしました。

食べ物への執着心にも気づきました。例えば、美味しそうなケーキを一切れ買ってきて、明日のおやつに食べようと冷蔵庫に入れておくと、もうずっとそのケーキのことが気になって仕方なくなるのです。明日の○時になったのあのケーキ食べよう!あー早く食べたいーみたいな思考がずっと頭の中をぐるぐる。耐えきれられなくなって前日の晩に食べて自己嫌悪。もう台無しなので他にもたくさん食べてから吐こう…という負のループでした。とにかく、食べ物にその日の行動と思考が支配されてしまっていました。特にコロナウイルス対策で在宅勤務が始まってからは大変でした。自分の冷蔵庫がすぐそこにありますからね…しかし、食べること以外にも毎日の生活でやることってたくさんあるので、執着心を少しでも和らげるように注意を食べ物以外に向くような工夫も必要でした。例えば、ブログを書くとか、断捨離するとか、水を今日は2リットル飲めるかやってみようとか。執着心を少しず和らげ、食べ物は所詮ただの食べ物であるくらいの気楽な気持ちまで持ってこれるといいんじゃないかと思います。


自分を大切にできるのは自分だけ

ここまで考えが到達すると、自分を自分で傷つけるように罰してきたような気になりました。過去の心の傷や食べ物への執着心が故に自分の中に食べ物を詰め込みまくり、吐いて体を痛めつけている自分の行動を再認識しました。

そもそも自己肯定感が低い私ですが、私を今のままで受け入れてくれる大好きな人たちがいるのに、自分だけが自分を傷つけて一体何をしていたんだろうとハッとしました。まずは、自分で自分を大切にする選択をしてみようと思いました。


減量は一旦お休みした

そこで、恐怖心なしに食事ができるようになるため、一旦減量はお休みすることにしました。1日どれくらいの量を食べたらどれくらいの体重の増減があるのか。1日どれくらい運動したらいいのか。長らくの過食嘔吐でそこらへんのバランス感覚が崩壊していたので、その感覚をまず取り戻すことを第一にしました。


結局、過食嘔吐やめたら痩せてた

過食嘔吐をしなくなり、「自分を大切に」をテーマに生活していると、食べ物のチョイスも段々と健康に良いものに移り変わり、徐々に食事量や運動量のバランス感覚も戻ってきました。すると自然と体重も健康体重にステイしました。喉の痛みもなくなり体調も良いです。

ただ、ここまでたどり着くのに半年ほどかかりましたし、途中で何度か過食嘔吐もしていました。しかし、ここで重要なのは一度の過食嘔吐で自分を責め過ぎないこと。1日でも過食嘔吐なしに過ごせたら自分を褒めて認めてあげること。気長にのんびり、徐々になくなるといいなーくらいの気持ちで生活していくことがミソだったと思います。自己嫌悪から負のループに陥ることは容易なので、「自分を親友を扱うように扱え」と良く聞きますが、まさにそのような感じで一度の失敗くらい大丈夫、と言ったような心構えが大切です。


克服した今、思うこと

今は過食嘔吐をしなくなりましたが、また何かのきっかけにやってしまうのではないか、と不安がないわけではありません。でも今は、時間をかけて人生を振り返って過去を整理したり、食べ物との関係性を見直した経験がありますので、対処はしやすいんじゃないかな、と思っています。

過食嘔吐は精神的な部分も強く関わっていますし、非常にデリケートな問題です。ある日程よい距離感のメキシコ人の友人にぽろっと過食嘔吐していることを告白すると「私もだよ〜女の子ってみんな一度は何かしら摂食障害みたいなことを経験するんじゃない?バレエやってたの?バレエ界は本当にボディイメージに毒だよね〜」と返信が。この時、私は「こんなに意志が弱くて自分をコントロールできなダメな人間はきっと私だけだ!」と思い込み自己嫌悪をしていましたので、友人の一言で「それぞれ悩みがあるんだな」と気づかされました。
ですので、自分一人がダメな人間などとは思わず、信頼できる人に相談する、心療カウンセリングなどのプロの手を借りる、過去を紐解いてみる…小さな一歩を踏み出すことも考えてみてください。悩んでいるのはあなた一人だけではないし、わかってくれる人もいます。外に助けを求めることは恥ずかしいことではありません。

私もまだまだ、自己肯定感は低いですし自分が嫌になることも多々あります。少しずつ、自分との付き合い方を良くしていけるといいな〜と思っています。焦らないで少しずつ。たまに後退してしまってもいいんです。無理しないで頑張りましょう^^