シリコンバレーの現実。中国人とインド人しかいない件


私のブログにしては暗い(?)話をしますが、少しでも私が住むシリコンバレーの現実を皆さんにお伝えしたいと思い、書いてみることにしました。

みなさん、HBOのドラマ「シリコンバレー」を観たことはありますか?2014年に制作されたドラマで、シリコンバレーを舞台に若者が会社を立ち上げ、大手企業からの買収を持ちかけられたり、まさに皆がイメージするテックカンパニーの全てが詰め込まれたドラマでした。シリコンバレーというワードを聞けば、賢く志の高い若者が集まり、常に新しいTechでサービスを生み出そうと切磋琢磨している地、というイメージを抱く方も多いと思います。

あのドラマの放映から10年が経った今、この「シリコンバレー」はすっかり様変わりしました。はっきり言います。ある特定に地域を除くとほぼ、中国人とインド人しかいません。サンフランシスコはまた別の問題(治安とか)が蔓延っているので、今回は触れないでおきます。以下に現地のテックカンパニーで働き、暮らしている私個人の肌感で日々感じる人種構成とその特徴を書きます。(これはあくまでも私個人の意見です。日系企業で働いている方や駐在の方には見えにくい現実かもしれません。)


インド人 - Nepotism (縁故主義)がマジでやばい

インド人は、Googleをはじめとするトップ企業のCEOがインド系に変わったこともあり、「やはりインド人は優秀」というイメージを持たれる方が多いと思います。もちろん、トップに立つ選ばれしエリートの皆さんはとても優秀だと思います。私のような一般層の会社員の肌感で日々感じるのは、Nepotism、日本語で「縁故主義」を平気でアメリカの職場に持ち込むことです。私のマネージャーやその上のゼネラルマネージャーも、たくさんの企業がリストラを行なっている最中に、平気で職務経歴もほとんどない主婦だった自分の妻に「エンジニア」職を与えて連れてきたり、友達の娘をインターンさせたり、妻の友達(主婦)にも仕事を与えたり、とにかくやりたい放題です。その身内の家族や友達はもちろん仕事はできませんので、ただ在籍してたまに会社に来るだけなんですが、やはり最優先で守られており、ちゃんと経験があって実績のある他の人たちだけがどんどんレイオフされていきました。。

私の職場だけだろこんな低レベルは…と思ったら、周囲の人に聞いたら全然珍しい話じゃないそうです。私のチームは毎月のようにインド人が増えてます(笑)これがベイエリア全体で起きていると思ったら、そりゃーインド人だらけになるよねってことです。もちろん、インド人は平均して英語は最低限話せるし、エンジニアリングを勉強する雇いやすいというのはあるとは思うんですが、あまりにも露骨に家族、友達を平気で自分の職場に入れ込むんでこれには驚きました。えーと、インド企業の話じゃないですよ。立派なアメリカ企業での出来事です。。アメリカに住む資格のない人は職をもらうことがビザをもらうための第一歩ですから、人口はどんどん増えるんじゃないかなと思います。

昔からサニーベールがインド人が多い地域と言われてきましたが、最近はサンタクララのNvidiaがあるあたりももはやインド人しかいないです。


中国人 - 金の力と抜かりなさがマジでやばい

ここ10年で、中国本土からの中国人が格段に増加しました。背景には本国の政治に対する不安とかあるのでしょうが、本当のことは教えてくれないので、真相は謎です。

中国人はまず持ってるお金の額が桁違いです。そして、投資価値の高い「学区の良い地域」に特に殺到しています。カリフォルニアは住んでいるエリアで行く学校が決められており、良い学校にいけるエリアにある家は必然的に値段が高くなります。アメリカ全国高校ランキング100位にランクインする優秀な公立校「リンブルック・ハイスクール」のあたりの家はベーシックな3ベッドルームの家が3億〜5億円で一瞬で売れていきます。もちろんキャッシュで一括払い。あまりに中国人が多すぎて、そのエリアにある公立小学校は中国語での教育を始めました。それくらい、中国人だらけです。噂で聞いたのは、リンブルックは中国本土でも良い学校だと宣伝されているらしく、この学区にある家を本国の政府関係者に貸すとものすごいリターンがあるそう。ほんの4、5年前までは、インド人も結構いたんですけどあまり見なくなりました。どんどん中国人以外の人たちは追い出されているんですね。でも、持ち家が大したリノベーションもせずに一発で何億円で売れると聞いたら売っちゃうんでしょうね。ちなみに、リンブルックの学区に次いで、クパチーノも中国人に人気エリアです。なんかの占いですごく良い立地にあるとか、Appleがあるから学校が良いとか、色んな理由を聞きましたが真相は謎です。

そして、これは実際に知人が「利用した」と言っていたので実在するサービスなのですが、アメリカに入国したい中国人向けの架空の学校があるそうです。それを利用すれば、学生ビザでアメリカに入国でき、そのビザが切れないうちにビザサポートをしてくれる仕事場を探したり、グリーンカードをくれるアメリカ人と結婚すればそのままずっとアメリカに住めるということなんだそうです。彼らのすごいところは「どんな抜け穴も見逃さない、どんなことをしてでもアメリカに入国する」その執念深さと、なんでもサービスにしてお金を稼ごうとするハングリー精神だと思います。

ちなみにこの写真は、リンブルックハイスクールと同じエリアにある公立小学校に行った時に見つけた生徒たちのメッセージ集です。え、全部中国語(笑)ここ、アメリカの公立高校で、このエリアに住んでる子供は全員ここに行くはずなんですよ。この壁一部だけじゃなくて、学校全体ほとんどが中国語でした。例えば「廊下は走らない」というポスターですら。


二者に共通すると思うこと1:どんな手を使ってでもアメリカに来ようというガッツがすごい

先ほど、インド人は縁故主義、中国人は抜かりなさ・ハングリー精神と書きましたが、二者とも方法は違えど人口はこれで確実に増えます。というか増えました。ちなみに、サニーベールにあるコスコに行くと、この二大派閥で溢れかえっており、我先に他の人より良いものを取ろうとするハングリー精神溢れる活気ある風景を見ることができます。興味のある方はぜひ。


二者に共通すると思うこと2:外国に来たらAssimilate(同化)しようという気はない

日本には「郷に入れば郷に従え」という言葉がありますね。よその土地にはよそのルールやしきたりがある。それに倣いなさいということです。そんな言葉、そちらさんには存在しないんだな〜というのはいつも見ていて思います。もちろん、世の中を見渡せばアメリカナイズされた中国人もインド人もいますが、シリコンバレーで働いて職場を見渡し、街中を歩いていると中国語を話し、中国人とだけつるむ、中国料理しか食べない、そんな人は結構ざらにいます。あと、勘弁してくれよといつも思うのが、他人の家のゴミ箱(アメリカの一軒家のゴミ出しは、市から買った指定のゴミ箱を道に置いておき、中身だけを収集車が持っていってくれるシステム)をあさって空き缶とか金になりそうな物をとっていくおばあちゃんがいまだにいることですね。これは中国人もインド人も両方見たことあります。もうしょっちゅうなんで放っておきましたが、「アメリカではそんなことしないんだよ」と教えてくれる、またはわかっている家族や友達がいないんだなぁと思っちゃいます。
ある日、コーヒーを注文するためにカフェに並んでいたら、中国人のおばさんに列を抜かされました。もうこんなの日常茶飯事なんで、またかって感じで何も言わないでいたら、店員さんが「あのお客さんが先に並んでましたよ」と私の方を見て言ってくれました。そしたらそのおばさんが私の方にズカズカ歩いてきて、一言英語で「なんでそんなところに立ってるんだ」と捨て台詞を吐かれました。意味わかりますか?私が立っていた場所が悪いから、私が悪いと言うことです(笑)ちなみに、私の立っている場所は誰がどう見ても次の順番だとわかる位置です(笑)だれでも間違えることはあります、Oh sorryと一言言ってどけばいいだけのこところを、ぜっっったいに自分の非は認めないんです。「とにかくメンツが命」の文化だとは知っていますが、ここはアメリカです。。違う人種がたくさん住んでいる国だからこそ、潤滑油になるExcuse meやsorryやThank youは大事なキーワードです。が、それも全く習う機会がないんだなぁと思った出来事でした。


二者に共通すると思うこと3:教育熱が凄すぎて、子供が鬱

日本人って、あんまり子供に勉強だの習い事だの、本気で押し付ける親って少ないように感じませんか?私だけですかね?一般的な日本人の親の願いは、「好きなことを見つけて欲しい、何か本気で熱中できること(部活動とか)見つけて、友情を育んでほしい、子供の頃にしか経験できないことをしてほしい」だと思うんですよ。ところがTiger momと言われるほかのアジア人のママさんたちの教育熱はもうすごいです。(これは韓国人にも結構いる気がする)とにかく勉強勉強勉強!成績は全部A+で当たり前!Bは落第したと同じ!こんなノリが普通です。
インド人の親が子供に望むのは「医者、弁護士、エンジニア」のどれかだそうです。この職業なら成功する、子供には絶対成功して欲しい。「せっかく良い教育の機会をアメリカで与えられているのだから、絶対に成功しろ」こんな願いが強すぎるあまり、相当なプレッシャーが子供達にかけられています。
上述した大人気かつ優秀な公立校リンブルックハイスクールに20年ほど勤めている先生にお話を伺ったところ、「今のリンブルックの生徒はプレッシャーのせいで鬱々としている」と嘆いていました。中国人とインド人という二大勢力が競争の激しい学校環境を作り上げていることは間違いないと思います。


これからシリコンバレーに来る方へ!アメリカに来たと思わない方がいい

これからサンノゼ、サンタクララ、サニーベールのサウスベイあたりに来る方は特に、アメリカに来たと思わない方がいいです。ここは、世界最大の人口を抱える二大大国から飛び出してきた人たちで溢れ返っています。家族や友人のツテを頼って飛び出してきたエンジニアや、とにかくお金が腐るほどあり、投資価値の高い家を買い漁る人。金や利権、コネがものを言う世界。自分が一番、知らない人はゴミのように扱う。ご近所さんに挨拶なんてしません。他人は全員悪者くらいのノリ。かつてのような、Easy goingでポジティブな明るさ溢れるアメリカはここには全くありません。しかし、方法はどうあれ、ツテも実力のうち、大金持ちもものすごい実力の証拠。実力のある者が世界中から集い、生き残っていく。それがシリコンバレーなのかも知れません。そうであれば、この現状はなんらおかしくない普通の状況ですし、そんな中、今日もみんな車をぶっ飛ばしてクラクション鳴らしながら職場に向かうのです。
あ、一応、まだ白人がマジョリティーのエリアもあります。Los GatosやPalo Altoなどです。ちなみにうちの義理親は80年代にシリコンバレーに移住してきたんですが、当時はまだ「ジャップ!」と道ゆく車がわざわざ窓を開けて怒鳴ってきたり、家の前に空の弾薬をばら撒かれたり、白人から結構な人種差別の嫌がらせをされたそうです。その頃に比べたら、アジア人としては住みやすい場所になったのかな、とは思いますが。アジア人がこれだけ増えても、アジア人の中の区別は健在ですし、日本人はその中でマイノリティですし、ちょっと複雑ですね。人種問題って、難しいですね。。
アメリカにおける日本人移住史ってとても長くて、日本からアメリカへの移民は,1868 年(明治元年),出稼ぎ移民が砂糖きびプラ ンテーション労働者としてハワイに到着したのが最初だったそうです。その後、第二次世界大戦下における日系人・日本人の強制収容があったり(知らない人は絶対に一度検索してみてください!)、戦後の経済成長で移民が増加せず、などの色々な要因があり日本人は移民の中で見てもマイノリティなんじゃないかなぁと思います。


最後に

この記事で気分を害された方がいたら、申し訳ないです。異論はたくさんあると思いますが、一つの経験談、意見として受け取っていただけたら幸いです。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。