Asian Pacific American Heritage Month とは?APAHMの時期や意味について

Cover photo by Wes Hicks on Unsplash

5月はAsian Pacific American Heritage Month です!インスタグラムなどでもよく#APAHM といったハッシュタグでお祝いされているのを見かけるこの月間について、この記事で解説したいと思います。


アジアン・パシフィック・アメリカン・ヘリテージ・マンスとは

毎年5月に設定されている、アメリカ合衆国におけるアジア系アメリカ人及太平洋諸島系アメリカ人の歴史・文化・功績によるアメリカへの貢献と影響を認める月間。


設定の背景(かなりざっくりと)

1970年代にJeanie Jewという米国議会スタッフだった女性がニューヨークの下院議員フランク・ホートンにアジア系アメリカ人の功績を認めるを作ってくれないかと提案したのが始まりだったそうです。ちょうどその頃1976年にアメリカは建国200周年を迎え、大々的な祝賀行事が行われていたのですが、Jeanieはその一連の祝賀の中でアジア系アメリカ人の貢献が取り上げられていないことに気づき、この提案をするに至ったのです。(ちなみに、当時はもうアフリカ系アメリカ人の Black History Month と、ヒスパニック系アメリカ人のHispanic Heritage Week はすでにありました)

1977年6月、ホートン議員と当時カリフォルニア州知事だったノートン・ミネタが5月の最初の10日間をAsian Pacific American Heritage Weekと制定するという法案を下院に提出しました。議会の承認後、当時のアメリカ合衆国大統領ジミー・カーターにより署名され、法令として5月の最初の10日間がAsian Pacific American Heritage Weekとなりました。

しかしこの法令は「毎年」とされていなかったため、Asian Pacific American Heritage Weekの制定の要求を毎年提出しなければなりませんでした。そして1990年、週から月間にするという法案が議会の承認を得てから当時の大統領ジョージ・HW・ブッシュによって署名されました。ここでもまだ毎年5月とはなっておらず、最終的に1992年にホートン議員とスポンサーたちが提出した「5月を永久にアジア系・太平洋諸国系アメリカ人の記念月間とする」という法案が可決され、現在に至ります。

ざっくりとした時系列ですが、こう見てみると「毎年5月を記念月間とする」ことが認められるまでかなりの年月がかかっていますね。ノーマン・ミネタ氏をはじめとする先人たちの努力により、APAHWが制定されたんですね。


なぜ5月?

主に2つの理由から5月に制定されたと言われています。
1. 一番最初の日本からの移民がアメリカに到着したとされるのが1843年の5月7日だから
2. カリフォルニアからユタまで繋いだセントラル・パシフィック鉄道が1869年5月10日に完成したとされるから。この鉄道の建設のために2万人以上もの中国人移民が過酷な労働に従事したと言われている(人数は諸説あり)



以上、APAHMについて意味や制定の背景について書かせていただきました。5月になると、私の日系人の親戚たちはSNSに浴衣を着て夏に盆踊りをした姿をSNSに載せて、自分たちと日本文化の繋がりについてコメントしたりしています。アイスダンスのアメリカ代表のシブタニ兄妹も参加しているこんなビデオも公開されていました。名だたるアジア系スターたちが豪華共演!


また、歴史博物館などではアジア系移民の歴史や功績に特化した展示を行ったりします。彼らにとっては自分の人種的・文化的ルーツを再確認する月間でもある5月。皆さんもSNSでそんな姿を見かけたら是非いいね!をしてくださいね。