ABG ってなに? ファッション・ヘア・メイク方法を解説
Cover photo by Roberto Nickson on Unsplash
たまにYouTubeのメイク系動画で”ABG Tranfsormation”というビデオを見かけませんか?Asian Baby Girlの頭文字をとってABGなのですが、この記事ではその意味とメイク方法を徹底解説します。
2023年9月追記:アーティストの楽曲にて”ABG”が使用された件についてはこの記事の一番下に追記しました。
目次
ABGの意味と定義
前述の通り、アジアン・ベイビー・ガールのことなのですが、Urban dictionaryの一番上によると以下のように定義されています。
・クラブでパーティーしたり友達と飲んだりすることを好み、タピオカドリンク片手にショッピングを愛するアジア人の女の子
有名インスタグラマーのJen ImさんがABGに変身し話題になりました。
ヘアスタイル
派手め。できればブロンドに近くブリーチしてある髪。無理なら黒髪でもOKだが、ロングは絶対。巻いてもストレートでもOK。
ネイル
ゴッテゴテにデコったりアートはしなくていいんですが、スカルプで長さを出して、明るめのワンカラーもしくはグラデにする。
ファッション
身体のラインが出るタイトめなワンピやキャミソール+ショーツ。服を極めてシンプルにすることにより、身体のラインを強調します。
メイク
かなり濃いめ。
ベースメイク:顔の凹凸を強調。鼻の両側や頬骨の下にはしっかりコントゥアを入れて、鼻筋・頬の高い場所・上唇の山の上にはツヤ感の美しいパール系ハイライトをしっかり入れる
アイブロー:眉山をしっかり作り、キリっとした印象に。眉頭→眉尻にかけて薄くなっていくグラデを丁寧に作る。
アイメイク:アイシャドウは濃く・横のグラデを意識して、目尻に重きを置く。アイラインは漆黒で、全体的に太めにし、目尻を大げさに跳ね上げる。一番特筆すべきはまつ毛。つけまではなく、エクステを好むABGが多いようですが、とにかく自まつ毛ではなし得ない存在感のまつ毛を目指してください。
リップ:ヌード系カラー、マットで。
その他
本格的にABGになりきりたい場合は、チューブトップなどで肌見せし、腕に大胆なフェイクタトゥーをつける。仕上げにBOBA(タピオカドリンク)を持てば立派なABG。
参考動画
下にYouTuberのSacheuさんの素晴らしいABG変身メイクの投稿とビデオを貼っておきます。このビデオを真似すれば誰でもABGに。
2023年9月追記:アーティストの楽曲にて”ABG”が使用された件
あまり音楽シーンに詳しくなく、恥ずかしながらこの問題が大きな話題になっているのことに、少し遅れて気づきました。
“ABG”という単語はGen Zによってポジティブかつクールな捉え方がなされ、上記で紹介したようにアジア系アメリカ人たちが当事者としてそのイメージを体現しようとする一種のエンパワメントのような流れが2020年頃に発生しており、この記事はその最中で執筆しました。また、反抗的で大胆なイメージなので、アメリカで広く共有されている「アジア人=礼儀正しく勤勉、おとなしい」というステレオタイプへの抵抗が2020年頃の流れの背景にあったと考えます。
しかしながら、Xなどのソーシャルメディアにて指摘がなされているように、白人アーティストによるAsian Baby Girlの楽曲での使用は、上述した流れとは意味合いが一切違ってきます。Yellow Feverに代表されるような、歴史的にアメリカ国内でアジア系女性へ向けられてきたフェティッシュな偏見を楽曲に乗せて拡散することになるという危険性が軽視されてしまっていたと思います。また、”All my ABGs get cute for me”という使い方も本当に良くなくて、「ABGたちが俺のために可愛くなる」と、ABGという単語を使用しただけではなく、従順でおとなしく、服従させられる対象であるアジア人女性という偏見を全面に押し出した歌詞になっているのも問題だと思います。
今回の指摘から、ABGの歴史的・文化的背景について触れずにクールなイメージのみを引用した記事を書いてしまったことについて反省しています。これから歴史的・文化的背景についても追記していこうと思っています。ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。